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2026/03/20 11:46
2種類の眠り-「つかれたら眠る」「夜になると眠る」
睡眠には “疲れたから眠る” という「恒常性維持機構」と、“夜になると眠くなる” という「生体時計機構」の2 つの機構によって、状況に応じて相互に関連しながら睡眠の質・量およびタイミングを制御しています。
「恒常性維持機構」は日中の活動で酷使された脳や体を積極的に休ませ、
「生体時計機構」はその日の疲れに関わりなく、いつもの時刻になると眠くなるという機構です。
「恒常性維持機構」では日々の活動量による睡眠物質の蓄積による睡眠中枢の働きが眠りをもたらし、「生体時計機構」では光の信号が時計の働きをする視交叉上核に伝えられ、夕刻からのメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌の増大が眠りに導きます。

一日の眠気のリズムは大きく12時間周期
眠気のリズムの調査によると、日中の眠気が午後2時~4時に強くなり、日中の12 時間周期の眠気のリズムのピークにあることがわかります。また、夜間では午前2 時~ 4 時に眠気が強くなり、24時間周期でのリズムのピークにあります。
スウェーデンのガス作業従事者による作業ミスの発生時刻の調査によると、作業ミスは午前2 時台に最も多く発生し、日中では午後2時台に多いことが報告されています(Bjerner ら、1995)。下の図表でも事故は午前2~4時頃と午後2~4時頃に発生していることが多いのです。これらの時刻は、眠気のリズムのピークとほぼ対応しています。

日中に眠気の強い人は、日頃の夜間の睡眠不足があり、生活習慣を見直す必要があります。眠気の回避には20~30分程度の昼寝を午後3 時までにとることも有効です。
明るさと睡眠、メラトニンの関係
光の明るさ(照度) は、 明るいほど覚醒の度合いを高くするため、光は活動性を高める上で大切な役割をもっています。人には朝起きて明るい光をあびてから約14~15時間後に、睡眠を引き起こすホルモンであるメラトニンが増大する仕組みがあります。快適な眠りのリズムを作るためには、朝に明るい光を浴びることが大切です。
一方、夕方から夜にかけての明るい環境はメラトニンの分泌を抑制します。夜明るいリビングルームや明るいテレビ・パソコンなどのディスプレイを長時間見つめると、入眠が困難になることがあります。夜遅くまで明るいリビングでテレビを見るなどはできるだけ避けるべきでしょう。
照度と眠りの深さをみると、照度が高くなるにつれて睡眠は浅くなり、中途覚醒が生じます。深く寝るためにはできるだけ照度を落とし、外界からの光をさえぎることも必要となります。遮光カーテンの利用はその点では効果的ですが、この場合には起床時に適度な光が入らなくなり、目覚めの環境としては必ずしもよくありません。交代勤務などで日中睡眠をしなければならない場合以外は遮光カーテンを使わずレースカーテンだけにしたり、外の光が入ってくるよう少しカーテンをあけて眠ることをお奨めします。