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2026/03/14 11:13
ダウンパワー(dp)は羽毛の嵩高を示す数値として、2012年3月までの嵩高性(cm)に代わって、主に羽毛布団などの原料指標として使われています。日本羽毛製品協同組合では300dp以上をニューゴールドラベル、350dp以上をエクセルゴールドラベル、400dp以上をロイヤルゴールドラベル、440dp以上をプレミアムゴールドラベルとして、グレード分けしています。
羽毛のダウンパワーやフィルパワーの測定方法は、JISとIDFBによって測定方法が世界で共通化されています。
測定方法が共通化されているのであれば、どこの検査機関に出しても同じような数値が出るはずですが、長年、羽毛布団を手作りしていますと、表示されている嵩高性と、実際のパワーが必ずしも一致しないことがあることに気がついていました。つまり、表示通りのパワーが出ない羽毛があるのです。
例えば、河田フェザーさんから仕入れているPST95Nは検査結果が438dpだったので、1桁を切り捨てのために430dp表示(ロイヤルゴールドラベル相当)となります。ところがこの羽毛は、同じ河田フェザーさんの原料HWG95 440dp(プレミアムゴールドラベル)よりも、ダウンボールがしっかりしています。
また、他社の430dpといわれる羽毛と比べると、品質の違いは歴然としています。ダウンパワーの数字が同じでも、実際の羽毛の質は違うことが多いのです。数字だけを信用するのは危険です。
そこで、河田フェザーさんをはじめとした何社かに話を伺って内容を精査してみると、サンプルの取り方、パワーアップの直後かどうか、検査前の攪拌方法、調べる検査機関などで、ダウンパワーの数値が変わってしまうことが判りました。同じ検査機関に依頼したとしても、「人が行なう以上、個人差がでることは避けられない」微妙な誤差(10dpぐらい)は出るという事です。
さらに、検査に持ち込まれる羽毛にも問題があります。ダウンパワーやフィルパワーは本来正確な表示をするための統一規格でしたが、ファイバーを接着した疑似ダウン(グルーダウン)の問題があったり、ダウンになんらかのコーティングを施してパワーを稼ぐなどの状況がある現在、実勢を正確に現しているとは思えないのも事実です。
このダウンパワー数値と実際の羽毛の質との差は、長年割り切れない疑問でしたが、明瞭になりました。ダウンパワーの数値は目安に過ぎない、ということです。過信も盲信もするべきではないのでしょう。
本物の良い羽毛は、手間暇かけて育てられているため、価格もそれなりにします。特にトップグレードの原料は取り合いになるので、安く出ることなどありえないのです。高騰を続けているアイダーダウンが良い例でしょう。これは羽毛に限らず、どんな自然素材についても言えることです。
本来ならありえない量のマザーグースが出回り、ダウンパワーの数字だけの競争があったり。おそらく、一般に布団で仕入れる小売店もわからないのではないでしょうか? おそらくですが、羽毛布団製造メーカーもダウンパワーの数字と価格だけを根拠に製品企画をしている現状からみると、非常にあやしいのです。
当店は羽毛布団を自身が実際に作っているので、羽毛のパワーの違いを意識できますが、通常の場合は数字だけを信用するしかない状況になってしまいます。
もちろん、羽毛の価値はダウンパワーだけではありません。きれいに洗浄できているか、ダウンファイバー・フェザーファイバー・夾雑物などのゴミが少ないかどうか、ベールごとの品質のばらつきがないか、羽毛を育てる現場の農場から、それを選別し洗浄・除塵を行なって管理する、それぞれの細かなプロセスの違いが本物を生みます
数字だけに惑わされず、本当の価値を理解し、安心して使える布団をお届けしないといけない、改めてそう感じております。

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